ドクター

  ―初めての夜―


 ”これはキスだ”

 自分がしたこともされたこともないような、情熱的で、しかしあせっているような、そんなキスだった。
最初はただパニックになっていたミッターマイヤーも、半分キスに酔いながら、残りの半分、理性の部分が警鐘を鳴らしていた。

 ”なんでキスしてるんだろう…”

 そんな考えしか浮かばなかった。”ゲッ!” とか、”ヤメロ!” とか、出てこなかったのである。
 不思議と冷静でいる脳のはしっこで、こういう時「ノー!」とはっきり言わないと、裁判の時不利なんだよなぁ、確か、などと考えているミッターマイヤーがいた。
 しかし、パニックになっている方のミッターマイヤーは、舌を抜かれるくらいのディープなキスに息苦しさをおぼえていた。抵抗、と呼べるほどではなかったが、両手でロイエンタールの肩を押しのけようとしたり、首を動かそうとしたりしていたが、力も入らず、また首はどこまでもついてきてミッターマイヤーをどんどん酔わせていた。

 唇がほんの少し離れた瞬間に、襲ってくる友人の名前を呼んでみた。
 「ロイエンタール…」
 心の中でロイエンタールを責める自分もいるのに、その声が、自分の声ではないように聞こえたほど、艶のある、しかし掠れた甘い声だった。自分で意識してそんな声を出したわけではなく、理屈よりも身体の方が反応に正直であった証拠だろう。自分の声とも思えない声に、ミッターマイヤーは驚き、しかしどこか他人事のようにも思えていた。

 呼ばれた方は、その声にすべての動きを止めた。そして、深いキスのあと初めて顔を合わせた。
 ロイエンタールは、ちょっとしまった、というようなバツの悪い顔をしていた。あまりにも若い雄の部分をさらけ出してしまった気がしていたからだった。しかも、この突然の行動により、大切な存在を失う可能性がある、とロイエンタールの優れた計算能力はそう結果を瞬時に導き出していた。
 今なら冗談で済ませられるだろうか…、そんな期待を持ちながら、抱きしめていた人の顔を伺った。怒るなり、殴るなりしてくれれば、謝る事もできる、と考えていた。
 しかし、そのミッターマイヤーはただ呆然としていた。苦しかったキスや抱擁から解放されたが、呼吸は荒いままだった。そして何よりもロイエンタールを驚かせたのは、いつもは澄んでいるグレーの瞳が両方とも薄紫に色付いていたことである。
 その艶のある潤んだ瞳と金銀妖瞳を合わせながら、ロイエンタールは別のことを考え始めた。そして考えついてすぐに行動に移した。

 「あっ!!」

 艶を含んだミッターマイヤーの驚きの声は、ロイエンタールの耳元で発せられた。
 身体は力が抜けていて、呆然としていたが、一部分だけ異様に熱を持っていることをロイエンタールは確認したのだ。手のひらにあるそれは、熱く、ロイエンタールは喜びでやけどしそうであった。
 すうっと少し動かしただけで、小さなうめき声が聞こえ、ロイエンタールの両肩の腕に力が入った。

 「ロ…イ…」

 抵抗よりも驚きよりも、解放を望んでいたのかもしれない、とミッターマイヤーは冷静になってから思った。友人にそんなことをされるとは思ってもいなかったのに、しかしやはり「ヤメロ」よりも「ハヤク」と身体の方が叫んでいた。
 
 ミッターマイヤーは先ほどまで押し返そうとしていた肩を引き寄せ、両腕をその首に回した。
 その無言の希望に答えるべく、ロイエンタールの右手は熱い部分に触れられていた。
 希望が叶えられるまでに、それほどの時間はかからなかった。

 
 ますます荒くなった息を整えようとしたミッターマイヤーは、その肩に額を押しつけ、その体重を自分の身体に感じながら、少しずつ冷静になっていった。
 
 ”重い…。…のし掛かられたのは初めてだ…”

 ”なんでのし掛かってるんだ…? …俺が抱きついているからだ…”

 ”なんでロイエンタールに抱きついてるんだ?”

 少しずつ周りが見えてきたミッターマイヤーは、いろいろおかしなことに気がつき始めた。
 ここは、自分の部屋で、ロイエンタールが来て、自分は風呂上がりで(ロイエンタールが風呂場から助け出したのだ)、自分は素っ裸だと言われて(目線だけで)…、そしてキスしてって顔されて…、そしたらキスし返されて…・・、それからの行為に思い当たったとき、ようやくミッターマイヤーは「おかしい」と思い、身体を動かそうとした。

 「ロイッ!!」

 あまり力の入らない身体を、それでも精一杯どけようとしたミッターマイヤーだが、ロイエンタールは押さえ込んで離さなかった。友人の目の前で、そして友人の手によって、自分の欲望を解放した、という事実にミッターマイヤーはかなり慌てた。恥ずかしいと思い、悔しいとも思った。

 上から押さえ込んだまま、絶対に離そうとしないロイエンタールは、ミッターマイヤーの唇に自分の唇がふれんばかりのアップで、目と目を合わせようとした。一方ミッターマイヤーの方は照れの方が大きく、目を開けていられず、首を左右に振って降りてくるキスを避けようとしていた。

 「ウォルフッ」

 突然の低い、切ない、そしてファーストネームを、今まで経験したことなかった程目の前で、というよりは唇にほとんど直接伝えられた、そのたった一言で、ミッターマイヤーは動きを止めた。
 これまで聞いたことのないような声で、見たこともないような瞳で見つめられ、押さえ込まれていた。しかし、ミッターマイヤーには、その声も瞳も振り切ることが物理的にも精神的にも出来なかった。
 ”なんて目で見るんだ、ロイエンタール…”
 いつもクールな金銀妖瞳が熱く、男っぽく、そして情欲の光を含んだ、しかし真摯な瞳を向けていたのだ。
 ”こんな目は初めて…ではないかもしれない…?”

 大きく開かれたグレーの瞳と、悩ましげに眉を寄せたその下の金銀妖瞳は、唇も合わせたままの近距離で見つめ合ったまま、どちらも目を逸らせずにいた。
 そのまま、「ウォルフ」と呼ばれ、ミッターマイヤーはロイエンタールと同じように眉を寄せた。
 その瞳と、眉と、口調だけで、その人が何を望んでいるのか理解したのだ。

 ”ロイエンタール…”

 信じられないことで、思いも寄らなかったことだったが、この大切な友人は、自分を求めている、ということを理解したミッターマイヤーは、自分の身にこんなことが起こると考えたこともなかったし、まして無二の親友だと思っていた相手であり、そして自分は既婚者である。

 ”なのに…、イヤだって言えないじゃないか…そんな目をされたら…”

 嫌悪感よりも何よりも、拒絶することでその友人が傷つくのは目に見えており、(しかし自分も十分傷ついている、とミッターマイヤーは思うのだが)、そして何よりその瞳が、情欲よりも『拒絶しないで』と訴えているようにしかミッターマイヤーには見えなかったのだ。
 ”ただの遊びで求めているんじゃない。”
 ということを、瞳から読みとったミッターマイヤーは、返答するかわりに瞬時に判断した自分の考えを伝えるべく、のしかかる友人の背中にゆっくり両手を這わせた。
 「…オスカー」
 消え入りそうな小さな声で了解サインのつもりで、ファーストネームを呼んだ。
 

 ロイエンタールは落ち着きのない抱き方をしている、と自覚していた。
 これまで自分の経験では、あせったこともなければ、リードを取られたこともなかった。
 しかし今、舞い上がっているらしい自分に気づき、戸惑い、でも止められなく、あせって性急にことを運ぼうとしている自分がいた。
 ”ミッターマイヤーだから…だろうか…?”
 男性相手はロイエンタールも初めてだった。特にそちらに興味があったわけではないが、ウォルフガング・ミッターマイヤーにだけは欲情する自分を知っていた。
 相手をしたことはなくても、それがどういう行為であり、無茶をするとミッターマイヤーがどうなるのか、いやというほどわかっているロイエンタールはとにかく時間をかけた。まず自分を落ち着かせるためにも。

 「はぁっっ! あぁっ!!」
 ミッターマイヤーはロイエンタールの長い指がその点に触れた時、押さえきれない声がもれた。
 驚きで身体をビクつかせ、ロイエンタールの肩にしがみついた。
 そのまましばらくお互いじっとしていると、ミッターマイヤーの呼吸も落ち着いてきた。
 「…今のは、前立腺…だよな?」
 真っ赤な顔をしながら、しかしどこか解剖学的な理解を楽しんでいるかのようなミッターマイヤーが、この場所での質問としては、やや色気にかける興味を示してきた。
 「異常なし、だな。」
 ロイエンタールも落ち着いてきたのか、まるで医者として触診しているように冷静に答えることが出来た。もう拒絶はないだろう、という安心感が出てきたからかもしれない。
 その返事にミッターマイヤーは笑った。男の友人と、こんなことをしているというのに笑えるほど、ミッターマイヤーは平気そうだった。反応は返ってくるし、息は上がっているが冷静だった。

 「でもさ…。その、そのまま…ってのは…、やっぱアレとか…」
 代名詞ばかりでわかりにくいが、ロイエンタールにはわかっているつもりだった。
 「そうだな。ちょっと待ってろ」
 スポンと指を抜いた拍子に、ミッターマイヤーからひゃっ、という声がもれたが、取り敢えず必要『物品』をいくつか取りに行くことにした。といっても一つは冷蔵庫の代用品しか思いつかなかった。
 その冷たいものをロイエンタールは自分の指にたっぷり塗り、先ほどと同じことをした。
 「うわっ! 冷たっ!!」
 感じるよりも何よりも、とにかく冷たかった。しかしやはり潤滑の役目は果たすようで、ロイエンタールの指はかなり自由に動くようになった。
 自分の中で、もぞもぞ蠢くそのもどかしさにミッターマイヤーはだんだんおかしな気分になっていった。
 ”変な感じ…”
 しかし次第に、だた変だと思っているだけではない声が聞こえ始めた。

 ロイエンタールは充分に時間をかけ、自分自身を受け入れられそうなただ一カ所を、少しでも負担が軽くなるように弛めた。その身体にロイエンタールを沈めようとしたとき、初めていやだ、という顔をした。それは拒絶というよりは、痛みからくる顔だったかもしれない。しかしロイエンタールはここまで来て、また冷静さを失っており、本人はゆっくりのつもりだったが、かなり急に奥まで沈んでいったのである。

 感情の涙なのか、生理的な涙なのか、ミッターマイヤーが歯を食いしばった顔を横向けると目尻から涙が流れた。眉を寄せ、声を出すまいと耐えている姿に、ロイエンタールはハッとし、しばらくじっと動かないようにした。
 今、間違いなく二人は一つになっている、と認識したとき、ロイエンタールの心の中で何か暖かいものが流れたことを感じた。
 ”何だろう? こんな気持ちは…。幸せ? 充足感?”
 泣かせていることに満足しているのではない。
 耐えてくれているのが嬉しいのでもない。
 一つになることを受け入れてもらえたのが幸せだったのだ。
 自分のヘテロクロミアを閉じ、瞼に愛しい人を思い浮かべると、自然とその名を口に出来た。
 
 「ウォルフ…」

 そのままずっと二人とも動かず目を閉じたままだった。

 しばらくしてその状態に慣れたらしいミッターマイヤーは、ロイエンタールよりも先にその瞳を開け、陶酔しているような顔の友人を見つめながら、考え事を始めた。

 「…S状結腸…」
 小さなつぶやきだったが、ロイエンタールは間違いなく耳にした。しかしその内容はやはり聞き間違いに違いない、と自分の耳を疑った。
 「…何だって?」
 ようやく瞳と瞳を合わせながら、ロイエンタールは今の言葉を否定してもらいたかった。
 「え? ああ、なんかS状結腸まで届いてるのかなぁ…なんて」
 ロイエンタールでなくても脱力しただろう。
 ここまで来て、解剖学実習か!! と怒鳴りたくなるような、本当に色気のない閨話であった。
 「…お前な…」
 「あ、ゴメン!! おかしなこと言ったな。続けてくれ。」
 続けてくれ、と冷静に言われて、では、というほど、ロイエンタールは好きモノではない。あまりといえばあまりの言葉に、怒るよりも笑いがこみ上げてきた。
 声を出さずに肩を揺すった笑いは、振動としてミッターマイヤーにも伝わったらしい。そしてそれが結局は再開になったようだ。
 「あ…」
 ミッターマイヤーの中のロイエンタールも笑った状態になり、その刺激に反応した。
 そしてその声にロイエンタールも今度は自分の意志で動きを再開したのだった。

 

 ロイエンタールは信じられないくらいの脱力感と幸福感を実感した。これまでのSEXで、これほどの充足感を味わったことはなかった。解放、という点では、自分でやろうが、これまでの女性だろうが同じだったのだが、終わっても余韻が大きく、どうしてもその愛しい人の名を呼ばずにはいられない気持ちだった。
 自分の下のその愛しい人は、恍惚とした表情で、同じく余韻を味わっているようだった。違うのはその目尻から涙が流れていたことだった。それはおそらく生理的なものではないだろう。何しろ流れ続けていたのだから。

「ウォルフ」
 心をこめながらその名を呼び、その目尻の涙を唇で吸い取った。
 その仕草にミッターマイヤーは目を開き、澄んだグレーの瞳をヘテロクロミアと合わせた。
「…オスカー」
 優しい声でそう呼びながら、今まで見たことのなかった種類の笑顔を見せた。
 最後にはいやだったのだろうか、というロイエンタールの心配が一瞬で吹っ飛ぶほど美しい幸せそうな笑顔だった。
 その美しい笑顔をロイエンタールは絶対に忘れないように、心に刻み込んだ。そして、絶対にこの笑顔を守る、と心に誓った。


 一つになっていた二人が離れた後、二人ともがうつ伏せになって黙っていた。
 お互い考え事をしていたのだが、今後どうすれば良いのか、お互い悩んでいたのかもしれない。
 ロイエンタールには、自分が始めたことであり、ミッターマイヤーは大きな拒否はしなかった、しかしそれは一時的に流されただけだったのなら、今後友人付き合いすら無くなってしまうかもしれない…、そんな危惧があった。自分の横で顔だけこちらに向けている愛しい友人は、少しだけ眉を寄せ、髪よりは濃い色の睫毛をきつく伏せ、何か考えているらしかった。
 ”さっきまでは、あの調子だったが、冷静になったとたんに『出てけ!』とか言われるかもな…”
 ロイエンタールは悪い方に考え、覚悟を決めていた。

 突然ミッターマイヤーは身体を起こし、身体をくねったり、足を動かしたりし始めた。しかしベッドから降りるつもりはないらしい。見上げた背中には、先ほど自分がつけたらしい痕があり、本当にヤッたんだ、という実感がわき、その事実を正面から受けなければ、俺は卑怯者だ、と考えた。
 ロイエンタールは首を左腕で支えながら、横向きになり、ミッターマイヤーが何か言い出すのを待った。

 「凄いな…」
  まだ向こうを向いて座ったままのミッターマイヤーは、自分の身体をあちこちを動かしながら、つぶやいた。
 「…?」
  さっきからミッターマイヤーは気の抜けるようなことばかり言っている、とロイエンタールは思った。
 「何が凄いんだ?」
  聞かなければそれ以上言わないといった雰囲気のミッターマイヤーの背中に問うた。
 「痛くないんだ。」
 「…何が?」
 「その…、えっと身体が、だよ。お前、上手い? 出血もしてないぞ」
  首だけでロイエンタールの方を振り返り、とんでもないことをサラリと言った。
 ”「上手い?」…だと? おいおい…”
  またしても脱力しかけたロイエンタールだった。
 「…他に言うことはないのか、ウォルフ?」
  ため息をつきながら、しかし体勢も崩さなかった。次には非難の言葉が出てくると頭の中でシュミレーションし ながら、待った。しかしまたとんでもない言葉が出てきた。
 「ああ、ゴメン。ちゃんと言わなきゃな」
  そう言いながら身体ごとロイエンタールの方に向き直り、見上げるロイエンタールの顔を見下ろしながら、真剣 な顔で言った。
 「気持ち良かったです」

 ロイエンタールは黙ってうつ伏せ枕で顔を埋めた。
 ”何だって? 何て言った? 何を考えてるんだ、こいつは…?”
 だんだん心配し過ぎた自分に腹が立つやら、怒らないミッターマイヤーに逆に怒りを感じるやら、この感情をどう表せば良いのか分からず、ずれた反応ばかり示す愛しい人があまりにも悲しいやら楽しいやら、しかし拒否されなかったことがあまりにも嬉しくて、自分の気持ちが整理できないでいる間に、ロイエンタールの閉じた目から涙がつたった。
 つたった涙はすべて枕が吸い取り、ミッターマイヤーには見えなかった。
 しかし、押し殺しきれなかった小さな嗚咽と肩の震えはミッターマイヤーにもわかり、さきほどまで一見自信満々なまま自分を抱いていた友人の背中をさすり始めた。
 背中にそっと触れたとき、ロイエンタールの身体はビクッ震えた。優しくなでていても、ロイエンタールは顔を上げなかった。
 ミッターマイヤーは何も言わず、ただ小さくその名を呼びながら、その広い背中に頬をつけ、ずっとなで続けた。

 ロイエンタールは、ミッターマイヤーが寝付いた後、考えた。
 その時に自分は、とてつもなく嬉しかったのだ。
 おそらくミッターマイヤーは本音を言ってくれたのだ。
 その時、もしも「好きだった」と言われたとしても、ロイエンタールは信じなかっただろうし、それほど喜ばなかっただろう。この友人がそんな考えを隠し持っていたとは考えられなかったからである。
 『気持ちよかった』
 それがおそらく自分自体と、自分の行為そのものを受け入れてくれた言葉ではないだろうか、ロイエンタールはそう考えた。
 そして一大決心をし、次の日の朝早く目覚めたとき、再度挑戦し、拒否のないことを身体で確認し、すっかり自信を取り戻したロイエンタールは、二人で遅刻しながらも、とんでもない申し出をしたのである。

 ミッターマイヤーは、その時流されたわけではない、と自覚しながら、しかし終わった後になってからあれこれ考え始めたのであり、その時はその時感じたことを素直に言っただけだった。ミッターマイヤーはその場は本能で行動し、後々になってからパニックになるタイプであるらしい。
 ”ロイエンタールは俺が『ほしい』とか『好きだ』とも言ってないけど、おそらくそうなんだよなぁ…。
 俺はどうなんだ? なんか…ヨかったから、ついヤッちゃったけど…?”
 自分でそんなことを考えながら、赤面した。
 ミッターマイヤーはロイエンタールにせまられた時、理屈ではなく、頭で考えての行動だったわけでもなく、感じたままに行動したのだった。
 しかし、おそらくそれこそが、本当の本音であっただろう。


 このロイエンタールからの申し出を考えて断る暇もなく、実行され、一緒に暮らすようになるのである。

 

 

皆さま、「S状結腸」ってよくご存じですか? 直腸のすぐ上なんですが、直腸ってのは約20cmでございます…(笑)

 


1999.9.24      
2005.10.3改稿アップ

いやもうどこをどう直したらいいのか…わからんよ(笑)
6年前に書いた話だしな〜
記念すべきドクター双璧のお初なのに、忘れてた!
ちょっとギャグ調? こわくて読み直せないのだ…(笑)
たぶん本に入れたくなかったんだろうなー私…

キリコ